コスト削減、優秀なエンジニア確保のメリットで海外、特に人件費が安い発展途上国のオフショア開発サービスを利用する企業が増えてきました。かつては中国から始まったオフショア開発は、2006年ごろからはベトナムやフィリピンなど東南アジアの国々でも盛んになっております。

2020年から新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界中のIT分野に大きな変化が見られました。

オフショア開発対象国の中でベトナムは人気を集めています。2021年最新の調査によると、日本からのオフショア開発委託先国別ランキング堂々の1位はベトナムという結果になりました。

【2021年】オフショア開発国ランキング

1位:ベトナム

近年、東南アジアのオフショア新興国のなかで、特に高い人気を誇るのがベトナムです。オフショア開発白書2021年版によると、約半数の52%がベトナムをオフショア先として選んでいます。

ベトナムの魅力としては人件費が安く優秀な人材が豊富、というところにあります。ベトナムの人件費は比較的安価で開発者の平均人月単価は30万〜35万程度、日本の人月単価の約3分の1くらいのコストになります。。

またベトナムでは優秀なエンジニアが豊富であり、まじめで勤勉な国民性で親日派の人が多くて日本企業と相性も良いことです。近年、ベトナム政府は人材育成に取り込んで、オフショア開発に適した優秀な人材がたくさん育っています。英語や日本語に対応できる人材が多く、他国と比べてコミュニケーションが取りやすい点も大きな魅力です。

2位:フィリピン

フィリピンでオフショア開発サービスを利用する企業も増えてきました。人月単価は比較的安価で30万〜35万程度で採用できて、ベトナムとほとんど変わりません。またフィリピン人が円滑にコミュニケーションをとるために使われる言語のうちの一つが英語なので英語中心でやり取りしたい企業であれば、委託先として向いているでしょう。

しかしながら、国民性や文化的背景から、仕事に対しての意識が違うのでプロジェクト開始前にそれを意識しておくことが大切です。

3位:インド

インドはテクノロジーが全盛期を迎えている国の一つとして台頭してきました。インドはITサービス産業の世界的なハブと考えられています。IT大国としてオフショア開発に取り組んできた歴史があり、インドはオフショア開発の委託先として安定して高い人気を誇ります。

しかしながら、インドの人月単価は他国に比べると高い傾向にあり、35万〜40万です。

4位:バングラデシュ

バングラデシュの最大の利点は、人件費の安さで、エンジニア1人あたり平均で月25万円程度と東南アジアで最も安いです。エンジニアもIT分野で高い技術を持っており、多くのエンジニアは英語でコミュニケーションできますが、日本語対応できる人は多くありません。

5位:ミャンマー

東南アジアでリーズナブルな価格の人件費、平均人月単価は25万程度です。ミャンマー政府も日本の教育を強化しており、日本語対応できる開発者は多いです。

 ただし、最大の障害は不安定なインフラストラクチャであり、首都であってもしばしば停電が起こるのでプロジェクトに遅れが出ることも想定したほうが良いでしょう。

6位:中国

中国はオフショア開発の歴史が長い国です.高い技術を持っている開発者として中国はオフショア開発の理想的な目的地ですが、人月単価は大幅に高く、平均人件費は40万円以上ですので、導入する企業が減りました。

まとめ

オフショア開発は、低コストやリスクを目的として行われてきましたが、リソース確保や海外拠点の確保や、高度な技術による開発を求める側面も強くなりつつあります。IT新興国であるベトナムやフィリピンなど、東南アジアの国々が委託先として人気です。さまざまな国でオフショア開発することができ、国によって得意な案件や性質は異なります。やはり自分の要求に合うオフショア開発先を選んで、案件の発注を判断しましょう。