「人材派遣」というサービスは知っていても、実はその仕組みや役割についてきちんと理解できていない方もいるでしょう。人材派遣のなかでも「紹介予定派遣」などの種類があり、さらに人材派遣とまったく違うにも関わらず混同されやすいものに「人材紹介」や「業務請負」もあります。今回は、人材派遣の仕組みや人材派遣と混同されがちなサービスを、わかりやすくご解説します。
人材派遣の仕組み
人材派遣は、労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)によって「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを業として行うこと」と定められています。つまり、「労働者が雇用契約を結ぶ会社」と「実際に仕事をする会社」が別であるということを表します。
(参考: https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken/haken_gaiyou.html)
具体的には、以下の図をご覧ください。
給与の支払いや福利厚生の提供などは派遣会社 (NETKO) が行い、派遣先企業はNETKOと労働者派遣契約を締結します。実際の仕事の指示は派遣先から受け、給与はNETKOから支払われます。
人材紹介との違い
人材紹介と人材派遣の基本的な違いは「雇用主」です。人材派遣では、派遣会社が労働者を雇用し、派遣先企業へと派遣します。一方、人材紹介では就業先の企業の直接雇用となります。企業は人材紹介会社と人材紹介契約を結び、転職者とのマッチングが成立した際には人材紹介会社に手数料を支払います。
人材派遣と「業務委託」の違い
業務委託は、企業が依頼したい仕事を外部の企業や個人(フリーランス)に委託する手法。コストを抑えつつ必要なタイミングで必要なスキルがある人材を活用できます。委託先の企業や個人(フリーランス)と雇用関係は生じず、対等な立場で業務委託契約を締結します。
人材派遣を利用するメリット
- 一定期間のみ雇うことができる
人材派遣は、期間に定めがある有期労働契約型のサービスです。派遣先企業としては、予め期間を定めて雇うことも可能なため人員計画が立てやすいメリットがあります。人材派遣サービスを活用することで、最適な人員で業務に対応することができるため、業務効率や生産性向上が可能です。
- 教育コストや労務管理工数が削減できる
派遣会社の多くは、自社の抱える派遣スタッフに対し様々な研修を行い、スキルアップを図ります。また、そもそも入社時点でどんな経験があり、どのような業務に対応することができるかをあらかじめ把握しています。その中で依頼された企業の要望に合った人材を派遣しますので、基本的には現場に入ってからの教育が必要ありません。それに加えて、募集・採用、給与計算、社会保険手続きなどは派遣会社が行いますので、労務管理業務の負担が軽減します。
- ビジネス機会の損失を防ぐ
人員不足のため新ビジネスに対応できる余剰人員がいない。社内にスキル・経験を持つ人材がいない。このような状態を放置していると、ビジネス機会を損失する可能性があります。しかし、自社で新たに人材を採用しようとすると、求人媒体への掲載や面接、入社手続きなど時間がかかります。人材派遣であれば、派遣会社の豊富なタレントプールから適切な人材を紹介してもらえます。
まとめ
「人材派遣」を知っている人は多くいても、詳しく仕組みを理解している人は少ないものです。人材派遣と似たようなものとして人材紹介や請負などもあるため、混乱してしまうこともあります。何を利用するかは、企業が自社の業務で何が不足しているのか、労働者に何を期待しているのか、業種や目的によって最適解は変わります。「労働者を雇用してほしいから人材派遣だ」「業務をアウトソーシングしたいから請負だ」と安易に決めず、それぞれの違いを知ったうえで自社に必要なものを選ぶ必要があるでしょう。
NETKOの社員を以下にご参考になると思います。